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剣道における脳震盪について

剣道と脳震盪について
剣道における安全面での懸念の一つに、夏場の熱中症があることはすでにブログで取り上げました。
今回は、もう一つの心配である脳震盪についてお話しします。

ここ数年、脳震盪が若い運動選手の脳におよぼす影響が問題になっています。
よく言われているのはラグビー、アメフト、ホッケーなど衝突の多いスポーツですが、剣道でも、試合で大きな選手と対戦したり、床がすべるなどして転んで頭を打つことがあり、脳震盪をおこすリスクはゼロではありません。問題の一つは、親やコーチが、子どもが脳震盪をおこしていても意外に気づかないことだと言われています。

以下、アメリカのユース•スポーツ連盟による脳震盪講習の大まかな内容を和訳してありますので、ご一読ください。英語でご覧になりたいかたは、以下のリンク先で講習をうけることもできます。

Kendo and Concussion

There are at least two safety concerns when we practice Kendo. One is heat attack, which we discussed in the previous entry of our blog. Another concern is concussion. If a kid’s concussion is left unnoticed by coaches or parents, it could bring about serious consequences about that kid’s healthy growth, especially his/her brain development. Please take a moment to access the following link by NAYS and learn about concussions in youth sports. You can also obtain certificate for the concussion training by taking quizzes there. Thank you!

National Alliance for Youth Sports (NAYS)
http://www.nays.org/additional-training/preview/concussion-training.cfm

* * *
オンライン脳震盪講習(保護者用)大まかな内容
National Alliance for Youth Sports (NAYS)
http://www.nays.org/additional-training/preview/concussion-training.cfm

1. 脳震盪 とは
脳震盪(brain concussion)とは、脳が外傷を受けることで、通常と異なる精神状態が生じること、または脳が通常どおり機能しなくなることをいいます。コーチや親など多くの人が、意識を失わない限りは脳震盪にはなっていないと思いがちです。が、そのような考えは完全に間違いです。 「ベルがなっている」または「星が飛んでいる」ような経験を選手がしたぐらいでも、実は脳震盪をおこしていることがあります。ラグビーやアメフトなど接触の多いスポーツで脳震盪が起こることは多いですが、どんなスポーツでも脳震盪はおこります。

次の統計を見てください。
•米国疾病管理センターの推計では、スポーツ関連の活動で毎年160万から380万もの脳震盪の症例が起こっています
• 一シーズンのうち脳震盪を経験する確率は、全選手の5ー10パーセントです
•スポーツによる脳震盪で意識を失う確率は10パーセント以下にすぎません
•脳震盪をおこす確率が最も高いのはフットボールで、そのリスクは男性選手の75%に上ります
•女性選手で最も多いのはサッカーで、その確率は全女性選手の50%です
•脳震盪の症例の78%は試合中に起こり、22%が練習中に起こっています
•脳震盪直後に 最もよく経験される症状は、頭痛(85%)とめまい(70−80%)が です
•脳震盪をおこした選手のうち約47%は、脳震盪のひきがねとなった衝撃を受けた直後は何の気分の変化もなかったと報告しています

2. 脳震盪を見分ける
以下のどの兆候も深刻に受け止めるべきです。

親や保護者が認めた兆候
ぼうっとした、または気絶したように見えた
今どこで何をしているのか一瞬わからなくなっている(自分の守備位置、ルール、スコアや敵味方の別など)
動きがぎこちない、おかしい 質問に答えるのが遅い
一瞬でも意識を失った 行動や性格がいつもと違うように見える
その衝撃前の出来事•その衝撃直後の出来事を思い出せない

選手が報告した兆候
頭痛、または頭部の圧迫感 気分が悪い、嘔吐した
体のバランスがとれない、めまいがする ものが二重にみえたりかすんだりする
明かりがまぶしすぎる、音がうるさいと感じる
だるい、ぼんやり、モヤがかったように感じる、ふらふらする
集中できない、思い出せないなど 何がおこっているのかわからない
何となく感覚がおかしい


衝撃をうけた数時間後、または数日後になってはじめて症状が現れることがあります。
試合場所、もしくは自宅で以下のように症状が悪化した場合には緊急医療をうけるべきです。
頭痛がおさまらない、または悪化している 体が弱っている、またはしびれたように感じる
嘔吐、気分の悪さが繰り返し生じる 会話がおそい
片目の瞳孔がもう一方より大きい 動きがちぐはぐである
意識がもうろうとする、起きられない 行動がおかしい
混乱やいらいらの度合いが激しくなってきた 痙攣やひきつけがおこっている
知っているはずの人や場所を認識できない 一時的にでも意識を失う

3. 脳震盪が疑われる場合にどうするか
1)子どもを活動から外させる
2)子どもの状況をチェックする
3)脳震盪を診断できる医師を訪ねる


4. 回復へのステップ
スポーツクラブのコーチは長年誤って選手を早く試合に復帰させてきましたが、それは間違いです。脳がきちんと回復するまでには、数時間、数週間、数ヶ月かかることもあります。完全になおりきらない選手が試合や練習に復帰し、また脳震盪を繰り返した場合には、その症状はさらにひどく、場合によっては致命的になることもあります。これを「第二衝撃シンドローム 」といいます。ある選手が脳震盪をおこした場合、その選手がまた脳震盪をおこす確率は、一度も経験したことのない選手の3倍から6倍になるといわれています。
 医師に連れて行ったあとでも注意深く子どもを観察し、数日後になってまた新たな症状が出て来ていないかをチェックしましょう。脳震盪に関係する症状が出ている間は、スポーツ活動に戻ってはいけません。子どもは遊んだりスポーツをしたりしている友達を見て自分も再開したがりますが、よくそのリスクについて話し合って本人を説得してください。子どもだから大人より回復が早い、ということは、決してありません。

 スポーツを再開するにあたっては医師の指示をよく聞いてください。再開するにしても、たとえば以下の五段階のステップをふんで、一週間をかけて徐々に活動の幅を増やすようにしてください。

ステップ1 頭や体はあまり動かさないまま歩行や短いジョギングなど軽い運動を5—10分行い、心拍数を上げる。
ステップ2 適度なジョギングやバイクなど20—30分の運動。
ステップ3 他の選手との接触性のない激しい運動。短距離走、ジャンプ、ドリブルやシュートの練習など。
ステップ4 接触性の運動を再開するが、他の選手には必ず、子どもが脳震盪を起こして回復中なのであまり激しくタックルしないよう説明しておくこと。
ステップ5 試合に戻る許可を与える。

これはあくまでもサンプルですので、子どもの状態と運動の種類に合わせて調節してください。


5. 脳震盪予防のための選手の教育
シーズンが始まる前に、子どもにも安全な試合、健全なスポーツマンシップについてきちんと説明しましょう。適切な防具をつけるよう指導しましょう。
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熱中症


剣道は屋内で行われるので熱中症とは関係ないように思われがちですが、十分可能性はあります。
屋内競技の中で、最も熱中症の発生が多いのは剣道です。
原因の一つに、体温が逃げにくく、水分を摂りにくい稽古着と防具にあると、全日本剣道連盟のHPでも紹介されています。
(抜粋)
ある研究レポートによると、気温約30℃、湿度約70%の暑熱環境下で互角稽古を1時間行った場合、稽古後には体重が約3.0-5.6%減少したことが報告されています。体重の減少は汗をかいた量とほぼ同じですから、体重が60kgだったとすると、1.8-3.4リットルの汗が流れたことになります(大型のペットボトルが1-2本分)。また、別のレポートでは、暑熱環境下で剣道の稽古着と防具を着用して自転車運動を行った場合、シャツと短パンで自転車運動を行った場合と比較して、体温(鼓膜温)が2度以上も高かった(最高で40℃近く)ことが報告されています。稽古着と防具は、竹刀の打突から体を守る観点から厚く丈夫に作られていますが、熱(体温)の放散という点から言えば、体に危険を及ぼすことも考えられるのです。さらに顔全体を覆っている面は、水分を取りにくくしている原因とも言えるのです。

熱中症は予防することが可能です。
一度に大量に水分をとるのではなくこまめに水分を補給することが大事です。
汗からは水分と同時に塩分も失われます。
スポーツドリンクなども利用して、塩分も補給するよう心掛けてくださいね。
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